建設業許可

建設業許可とは

請負金額500万円を超える工事を請ける場合は、建設業許可を取得する必要があります。

また、500万円を超える工事を受注しなくても下請業者として現場に入る時に元請業者から建設業許可を取得して欲しいと言われることもあると聞いております。

建設業許可取得にかかる時間

兵庫県では、新たに建設業許可を申請した場合、受付から許可証が発行されるまでに約1.5か月かかると言われております。

行政庁が立て込んでいる場合はそれ以上の期間がかかる可能性もあります。

来週に800万円の工事を契約することになったので建設業許可が欲しい、となっても間に合いませんので、許可取得をお考えの方は、お早目に申請されることをお勧めします。

■当事務所で建設業許可を新たに取得する場合、下記の内容を確認させていただきます。

建設業許可更新や、業種追加、般特新規申請については、当事務所までご連絡下さい。

どの業種を取得するか?

建設業は下記のとおり全29業種ございますので、ご自身がこれまでされていた工事がどれに当たるのか、また今後どういった工事をしていく予定かをお考え下さい。

​土木一式工事業、建築一式工事業、大工工事業、左官工事業、とび・土工コンクリート工事業、石工事業、屋根工事業、電気工事業、管工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、鋼構造物工事業、鉄筋工事業、ほ装工事業、しゅんせつ工事業、板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、機械器具設置工事業、熱絶縁工事業、電気通信工事業、造園工事業、さく井工事業、建具工事業、水道施設工事業、消防施設工事業、清掃施設工事業、解体工事業

個人で取得するのか、法人で取得するのか

現在個人事業で建設業を営んでいる場合は、許可を個人で取得するか、もしくは法人成りして取得するかを選択していただきます。

もし個人で取得する場合、後述する経営業務の管理責任者の条件を、原則個人事業主が満たしておく必要があります。

​法人の場合は取締役のどなたかが経営業務の管理責任者の条件を満たしていれば大丈夫です。

​そのため、許可を取得したいが要件を満たせない場合は会社を設立し、要件を満たす人を取締役におけば許可を取得することが出来ます。

一般建設業か特定建設業か

​発注者から工事を請け負った元請業者については、下請に出す工事代金の総額が4000万円以上(建築一式工事の場合は6000万円以上)の場合は特定建設業許可が必要になります。

下請業者が孫請業者に発注する場合はこのような制限はありません。

特定建設業を取得するには、一般建設業以上より厳しい基準をクリアする必要があります。​

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「経営業務の管理責任者」の要件を満たす人がいるか

経営業務の管理責任者になれる人とは、下記のどれかに該当する必要があります。
①    過去に常勤の役員等として建設業を経営していた期間が5年以上
②    代表取締役や取締役会から業務執行権限を委譲された執行役員などの経営者に準ずる地位に5年以上
③    役員等の準ずる地位にある者として、6年以上経営業務を補佐した経験のあるもの
④    2年以上の建設業の経営経験があり、かつ5年以上役員等に次ぐ地位で財務や労務管理の業務を担当したもの
  かつ申請する建設業者で5年以上財務や労務の業務経験を有するものがいること
⑤    5年以上役員等としての経験を有し、かつ建設業に関して2年以上の役員等としての経験を有するもの
  かつ申請する建設業者で5年以上財務や労務の業務経験を有するものがいること

申請時には、上記の条件を満たすことを証明する書類の提示が必要です。

具体的には、取締役であったという証明として履歴事項全部証明書と建設業の許可証や、個人事業主の場合は過去5年分の申告書などが該当します。

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​「専任技術者」の要件を満たす人がいるか

 専任技術者はリンク先の表をご参照ください。

 ※pdfファイルが開きます。国土交通省HP

https://www.mlit.go.jp/common/001372890.pdf

もし国家資格を有していない場合は実務経験を証明する書類を付けて申請します。

指定学科修了者で高卒なら5年、大卒なら3年以上の実務経験を有していれば可となります。

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000085.html 指定学科一覧

それ以外の場合は10年間の実務経験を証する書面を付けて申請します。

​また、大工、とび土工、屋根、しゅんせつ、ガラス、防水、内装仕上、熱絶縁、水道施設、解体の10業種については、8年しか実務経験がなくても複数業種にかかる実務経験を有す場合は専任技術者になれるケースもありますので、お問い合わせください。

​なお、経営業務の管理責任者及び専任技術者は別々の人でも構いませんが、いずれも常勤である必要があります。

財産的要件を満たすか

一般建設業の場合は下記1~3のいずれかに該当する必要があります。​

  1. 自己資本が500万円以上
  2. 500万円以上の残高証明書(申請から1か月以内に発行されたもの)
  3. 許可申請直前の過去五年間、許可を受けて継続して営業した実績を有すること

​この場合1.は法人で新規許可を申請する場合、2.は個人で新規許可を申請する場合、3.は許可更新の場合に該当する、とお考え下さい。

そのため、更新の時に自己資本が500万円を切っていたり、残高証明書が準備出来なくても問題はありません。

特定建設業の場合は下記の3要件全てに該当している必要があります。

  1. 欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
  2. 流動比率が75%以上あること
  3. 資本金の額が2000万円以上であり、かつ自己資本の額が4000万円以上あること

上記3要件は特定許可を更新する場合にも満たしている必要があります。

もし許可を更新するタイミングで流動比率が50%になっていた場合、特定許可の更新をすることが出来ず一般建設業で許可を取り直す必要がありますのでご注意ください。

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欠格要件に該当しないか

会社で申請する場合は取締役や執行役といった役員等全員が、個人で申請する場合は個人事業主本人が、建設業法に定める欠格要件に該当した場合は許可を取得することが出来ません。

主なものとしては、以下となります。

詳細は国土交通省のホームページを参照ください。

【破産者で復権を得ないもの】、【許可の取り消しから5年経過しないもの】、【営業停止、営業禁止中のもの】、【禁固以上の刑に処せられ、刑の執行の終わりまたは刑の執行を受けることがなくなってから5年を経過していないもの】、【反社会的勢力】など

過去に私が関わったケースとしては、社長は知らなかったけれど取締役に入っている息子が喧嘩で警察に捕まったことがあった、ということがありました。

警察に捕まっていた期間は1日だけだったため、親は息子が警察に捕まったことに気付かず、息子は親に警察に捕まったことを言っていませんでした。

おそらく身元引受人は奥さんが行ったのでしょう。

こちらはそんな事情を知る由もなく、許可の更新申請を行いました。

役所は申請が行われると、警察に犯歴照会を行います。

ここで該当有りとなると許可はおりません。

申請からしばらくして土木事務所から連絡があり、不許可という結果を知らされました。

その理由を聞いたところ、取締役の息子が欠格要件に該当するということでした。

不許可の理由を伝えたところ、社長も驚いていました。

余談ではありますが、通常の申請では不許可という結果になることはありません。

これは【許可】か【取り下げ】のどちらかになるからです。

頑張って資料を集めても要件を満たすことが出来なかった場合、我々は申請を取り下げます。

こうすることで、申請時に添付しなくてはならない5万円の収入証紙を納めなくてもいいからです。

厳密には、行政窓口と折衝を行い、「これで許可を出します」と言われたタイミングで証紙を貼って申請書に受理印を押してもらいます。

「これでは許可が出せません」と言われた状況で受理印を押してもらうことはありません。

そのため、受理された申請は基本的には許可されることになります。

しかし欠格要件の調査は受理されてから行われますので、書類に不備はないけれど欠格要件に該当するため不許可という結果になります。

この場合、証紙代も戻って来ませんし、行政書士への報酬も通常通り発生致しますので、欠格要件に該当するかの有無は慎重にお調べ下さい。

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営業所の所有に問題はないか

許可申請の際に、営業所の所有について調査を行います。

自己所有の場合は特に問題ありませんが、賃貸の場合は契約書で建設業の事務所として使用するという内容が記載されていなければいけません。

もし記載されていない場合は大家さんに承諾書を書いていただく必要があります。

​また、親族所有の場合は所有者の承諾書に加え、登記事項証明書か固定資産税の納付書で所有者を確認致します。

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最後に

建設業許可は新たに取得する場合、書類作成から必要な書類の収集を行うとかなりの時間を要してしまいます。

許可を新たに取得しようという方は他にも行うべき用事が山積していると思われます。

そのため建設業許可については我々行政書士にお任せいただき、お客様は現場での業務やその他の業務に専念していただくことをお勧めしています。

建設業許可を検討されているお客様は、まずは当事務所の初回相談をご利用ください。

お越しになる際には、建設業を行ってきたことが分かる契約書や請求書等の書類に加え、個人事業主の方は確定申告書、法人の方は決算書があると話がスムーズに進みます。